ブリ

● Young (^_^)
● Adult (^_^)

脊椎動物,硬骨魚綱,すずき目,あじ科,ブリ属

(ラテン)Seriola quinqueradiate Temminck et Schlegel

刺身,すし種,照り焼きで賞味される. 寒ブリといって冬(12月〜2月)にはおいしい魚であり,この頃 に一番たくさん採れる. 卵をうむすぐ前の大きさ1m,重さ7〜11kgくらいのものが最も美味しい.

ブリは成長とともに名前が変わり,出世昇進の魚(出世魚)とされている. 東京付近などでは15cmくらいまでのものをワカシ,40cmくらいをイナ ダ,60cmくらいをワラサ,90cm以上のものをブリという.

ブリは大きさによって値段も味も違う. ブリは,夏は味が落ちるが, 逆に,イナダは夏に味が良い.


目次

ブリの生活

ブリ漁

博物誌

名の由来

ブリの体

出世魚

ブリと出世魚

ブリ以外の出世魚


ブリの生活

温帯性の回遊魚で,日本各地,朝鮮から東シナ海に分布する. 夏には暖流(黒潮)にのって北に進み北海道のあたりまで行き, 寒くなると南に下る. つまり,ブリは水温14〜15度あたりを好むので,このような水温のところ を求めていく. その途中でイワシ,サバ,イカなどを食べる.

産卵は東シナ海中・南部地域では2,3月, 九州西方海上では4,5月. 水温が19度〜21度の頃に盛んに行われる. 卵は分離浮性,ブリは数十万の卵を産む. 産卵期は成魚も内湾に入り, 表層を游ぐ.

天然での成長は1年で30cm,2年で50cm,3年で60cm,4年で7 0cmくらい.


ブリ漁

ブリはふつう沿岸定置網(ていちあみ)や刺網(さしあみ)や延網や一本釣 などでとる. なかでも沿岸定置網は,一番よくブリをとる方法で,ブリの泳いで来る道に大きな 網を仕掛けておいて,その中に入ったものをとる.

ブリの需要が高いため, 天然だけでなく、養殖も行われている. 数cmくらいの稚魚はモジャコと呼ばれ,流れ藻に付いて生活する. 成長は速く5〜6月にモジャコを採捕して網いけすで養殖し(「ハマチ養殖」という), その年の暮れには1kg近くになって出荷される. 関西を中心に関東でもハマチ養殖は盛んである.


博物誌

日本では,ブリはタイと並ぶ<祝儀魚>とされている.

ブリの仲間であるブリ属の魚は,大西洋,太平洋に広く分布し,地中海にすむ 種をいる. 巨大なものは1.8mにもおよび, 各地で食用としてはもちろん,釣りの対象としても重視される. 養殖して需要に答えている.


名の由来

[和]: ブリ
[英]: yellowtail, amberfish
[独]: Gelbschwanz, Bernsteinfisch
[蘭]: geelstaarthorsmakreel

属名セリオラは,カンパチを表すイタリア語に由来する. 仏名もこれに準ずる.

ブリについての英・独・蘭・露名は,<黄色い尾>,<琥珀色の魚>の意で, いずれも目の前方から尾まで黄色い線が走っていることにちなんでいる.


ブリの体

体はやや延長した紡すい形でわずかに側偏する. 主上顎骨荒誕の上隅角部は鋭く角張る. 胸びれと腹びれはほぼ同長. しりびれ前方に2遊離棘がある. 尾柄(びへい)部上下に浅い欠刻. 全身は小さい円鱗でおおわれる. 体の背部は暗青色,側面は銀白色. 体側中央部にやや不明瞭な黄色縦走帯が1本走る.

体長30cm〜80cmくらいの稚魚は全身黄褐色の金属光沢を有し, 体側には6〜11条の赤褐色黄帯がある.

D.V(体長30cmくらいまでの若魚ではV1)−1,29〜36; A.II−1,17〜22; GR 8〜12+17〜23=25〜34; U11〜13. 側線鱗数210〜220cm, 体長は110cm.


出世魚

成長するにつれて呼び名が変わる魚のこと.


ブリと出世魚

ブリの呼び名は成長に応じて変わり, 呼び名は地方によって違う. 実際には,100近い地方名がある.

各地の主な<成長名>は次の通り.

関東:ワカシ・ワカナゴ → イナダ → ワラサ → ブリ

関西:ワカナ・ツバス → ハマチ → メジロ(イナダ) → ブリ

北陸:ツバエリ → コズクラ → フクラギ → アオブリ → ハナジロ → ブリ

山陰:ショウジゴ → ワカナ → メジロ → ハマチ → ブリ

九州:ワカナゴ → ヤズ → ハマチ → メジロ → ブリ → オオウオ

上記のように、「ハマチ」は、広く、生育途上のブリの意味で使われてきた。 (現在では、広く(北陸地方などで)、天然の「ハマチ」が取扱われている)。 元来、関西などでは、ブリそのものを「ハマチ」と呼んでもいた。 また、養殖ブリのことを、「ハマチ」と呼ぶこともある(上記「ブリ漁」の項を参照してください)。

(お願い: その他の地方名を御存じの方、Wab-master@www.kkaneko.comあてにお寄せ下さい)

ワカシ,ワラサ,イナダの区別は次の通りである.

ワラシ: ワカナゴ,ワカナともいう.東京,関西,高知,和歌山,奥 羽などでブリの10cmから20cmくらいの若魚のことをいう. 関西ではツバス,北陸ではコズクラ,九州北部でのヤズがこの大きさに相当す る.

イナダ: ブリの若魚のこと,関東では30〜40cm(2歳ころ),関西では50 cm〜60cmくらいの大きさのものをさす.

ワラサ: 東京,神奈川,静岡,愛知,三重そのほか,一般にブリの60cm 前後のものをいう.

ブリ:90cm以上,4〜5歳まで成長したもの.


ブリ以外の出世魚

日本での出世魚は,スズキ,ボラ,コイ,マグロ,ブリなどがある.

スズキ,ボラはそれぞれ,次のように名前が変わる.(片仮名書きは標準和名)

マグロは,その成長度や大きさが古くから人々の関心の的であり, 民俗との関係も深い. 日本書記,古事記,万葉集にもマグロにちなんだ記述が見られる.

コイが出世魚とされたのは,おそらく,中国の仙人の鯉のりや,登竜門伝説を ベースにした発想であったと思われる. 滝をのぼりやがて龍に変身していく鯉の成長を想像し, 子供の成長や世に名を馳せることの意味を重ね合わせた習俗だろう.

世界に目を向けると, アリストテレスが報告した出世魚は,イワシといわれる. バレロンの雑魚とよばれる稚魚からメングラス→トリキス→トリキアスと育つ のである. トリキス,トリキアスは<毛のような骨のある魚>という意味で,イワシの特 徴に一致している. イワシが西洋古代において出世魚だと信じられたのは,この魚が淡水から海水 へ住みかを移動すると信じられたことによる.

イギリスでは,サケが出世魚である. まず,孵化直後のものはフライ(fry)あるいはアレヴァン(alevin) と呼ばれる. これから成長して数cmになると,体に黒い斑点(parr)があらわれる. このころをparrと呼ぶ. やがて海に降りるころになると斑点が消え銀白色の体になる.

参考文献

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